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CS(北海道コンサドーレ札幌)的日誌 2025/11/22号

2年前はJ2
駆け上がって初タイトル

FC町田ゼルビア 3-1 ヴィッセル神戸

翌日にJ2・J3で昇格チームが出るかもしれない日程に違和感がありますが、天皇杯決勝は節目に思えるのです。翌シーズンは低迷のジンクスもありましたが、近年はそのチームの分岐点になることもあります。19年に初タイトルを獲って狼煙を上げたヴィッセル神戸のように、町田ゼルビアが強豪の地位を確かなものにするかもしれません。

大きかった6分での先制

前半の15分までには必ず得点が動くと試合前に町田ゼルビア黒田監督が選手に伝えていた通りになりました。勝負所と考えていたのでしょう。前半6分に中山 雄太が左サイドをドリブルで駆け上がってクロス。藤尾 翔太が頭で合わせて先制です。ディフェンディングチャンピオンを慌てさせるには充分です。準決勝で120分間前線からプレスをかけ続けたように、この決勝でもハイプレスを続けてボールを奪うが徹底されていました。相手に攻撃に圧倒していましたね。反撃にもそれが2点目につながりました。中盤でのセカンドボールの回収から、ミッチェル デュークが最終ラインの背後の相馬 勇紀へロングパス。オフサイドにならないギリギリのところで前に飛び出して拾い、決めました。後半にエリア外から豪快に藤尾が決めた3点目を取ってからは、攻撃を受ける時間が多くなりましたが、最終ラインに5人以上並んで壁のように守っています。数的不利になったりお見合いになることはありません。後半開始から大迫が投入され、動きに手を焼きかけましたが、そこはケガから復帰の岡村 大八が途中交代で入って封じました

チャンピオンらしさはあった

ヴィッセル神戸から見ると、120分間の戦いやPK戦を想定していたことが伺えます。1点がなかなか入らず重くのしかかるゲームを大迫 勇也投入で流れを呼び込むプランだったのでしょう。その前に2点ビハインドで前半を終え、後半開始から大迫を投入して目論見通り流れを呼び寄せても3点目を奪われたのは誤算です。そこから後半13分に佐々木 大樹が相手陣内でボールを奪い、大迫を経由して武藤 嘉紀が左足でゴールを狙うなど、攻勢を強めてきました。そして17分に、ペナルティーエリア左から佐々木 大樹がクロスを送り、宮代 大聖が頭で決めて2点差。その後も相手エリア近辺での攻防で、相手の守備網をなかなか打ち崩せません。何度も何度も打ち破ろうと、ひとり、2人と連続で仕掛けてきます。右へ左へとボールも人も動いて、わずかなほころびやスキを伺おうとします。見ごたえのある攻防戦が演じられましたが、相手の壁を打ち崩せなくても安易に後ろで組み立てなおすのではなくて、連続して挑んでいったのは、スコアを追いつこうとする気迫と、天皇杯連覇を目指す強い意志を感じられました。

振り返ると

静岡以外のサッカーどころ、しかも東京の多摩地区の市民クラブから、JFL降格やスタジアム規定から昇格不可能になったクラブが頂点に上がれるんですね。何せ3年前の22年でも、J2優勝J1昇格も考えられなかったのですよ。それがハード面を整備し、百戦錬磨の監督を招聘して規律を植え付けてJ2優勝J1昇格。J1昇格してからも前年をベースに積み上げて、残留争いどころか優勝争い。そして初タイトル。お金持ちになった側面はありますが、決しておカネだけではタイトルは取れないのですよ。準優勝のヴィッセル神戸でさえ、海外ビッグネームが去ってから、J1連覇。昨年は2冠なのです。春秋制最後のシーズンにおカネだけがすべてではないことを象徴する決勝戦でした。

それでもコンサドーレのコトをいわせろ

クラブフィロソフィーを思い出しましょう。走る、闘う、規律を守る。その笑顔のために。 両チームとも徹底されていました。ここまでやっての今の地位なのですよ。そう考えると今シーズンは甘すぎるのです。残り2試合、この決勝をお手本として、基本になるクラブフィロソフィーを笛が鳴るまで続けていきましょう。2027年6月に昇格の歓喜のために。

(23日 10:30)

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