2004年J1セカンドステージ予想&分析 9〜12位

9位

清水エスパルス


順位 勝点 試合 引分 得点
失点
得失点差
2004年 J1 第1ステージ 11 16 15 3 7 5 20 1.33 (10) 27 1.80 (14) -7


おもなin
DF戸田
FWチョ・ジェジン

おもなout
DF高木
MFファビーニョ
FWジャメーリ
攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
CBBCBBC

降格戦線に顔を出しても不思議ではなかったことを思い起こすと、7引分けが貢献して11位というのは健闘に値する。よーく見てわかったのだが、アラウージョがじみ〜に8得点を挙げて得点ランキング上位につけている。他の外国人2人が3試合ずつしか出場しないで退団したことを思えば、唯一といっていいほどの希望だった。

それを受けてのセカンドステージは、希望の持てる話題が多い。戸田の復帰はここ数年の守備・ボランチの問題を解消する決定打である。チョ・ジェジンは韓国代表FWとして、国際Aマッチ8試合2得点を挙げている。そして65歳アントニーニョ前監督の後任には、石崎“ノブリン”ヘッドコーチ昇格。かつてシルバーコレクターと呼ばれていたチーム「らしい」人事だが、実績的にいきなりJ1で指揮を執らせたくなかったのでしょうか。もっとも1stから実質的に指揮を執っていたこともあり、監督の面でもマイナスはない。そういったプラス要素が多いことから下位グループ中最高位に予想した。

----------2004J1セカンドステージ順位  14位    (予想比)

順位 勝点 試合 引分 得点
失点
得失点差
2004年 J1年間順位 14 29 30 7 8 15 37 1.23 (13) 53 1.77 (12) -16
2004年 J1 第1ステージ 11 16 15 3 7 5 20 1.33 (10) 27 1.80 (14) -7
2004年 J1 第2ステージ 14 13 15 4 1 10 17 1.13 (14) 26 1.73 (10) -9
補強成功度戦力損失度選手層監督予想比
CCCB-5

DF斉藤・森岡という元日本代表が最終ラインに君臨しているのに、無失点試合は攻撃力の弱いサンフレッチェ戦と伝統的に相性のよいアントラーズ戦(2ndも0-0でドロー)のみ。守備と組織力を軸にじっくりチームを作っていく石崎ノブリンでも就任早々では時間が足りなかった感がある。

補強は戸田が戻ってきたものの効果なし。イエローカード7枚では計算しづらいが、起用し続けなければいけなかったところが選手層の薄さを物語る。チョ・ジェジンの7得点は2nd唯一と言っていいほどの光明だが、アラウージョが8得点から1得点に減ったので収支的にはさしひきゼロ。もっと気になるのは攻撃がチョ・ジェジン頼みになってしまったところだ。 右サイドMF太田の成長は収穫だが、三都主が去り市川が負傷で長期欠場した穴を埋めきれていない。真田が引退し、戸田が移籍濃厚、アラウージョがガンバへ移籍。沢登の先発フル出場が減少し、チーム改造の緊急性大だ。そんな中、長谷川健太が生え抜き監督としてチームに戻ってきて、03年の大木監督、今シーズンの石崎監督で失敗したチーム再建を託されるが、J初采配では荷の重い仕事ではなかろうか。


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10位

柏レイソル


順位 勝点 試合 引分 得点
失点
得失点差
2004年 J1 第1ステージ 15 12 15 3 3 9 14 0.93 (16) 22 1.47 (6) -8


おもなin
DF波戸

おもなout
DF根引
MF永井
攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
C→C+BBB→C?→CCC+→C

とにかく点が取れない。最終節セレッソ戦で玉田のハットトリックと増田の2ゴールで快勝したが、これは度外視して見ること。そう考えると一試合平均得点は0.64。守備がものすごくよければ昨年2ndのトリニータのような現象も期待できるが、無失点試合が2試合だけではどうにもなりません。

ただ、守備が崩壊したわけではない(その代わりGK南は伝説を残しましたが、、、)。アウレリオ時代のように守備を立て直せれば降格圏内からの脱出は容易だと思う。外国人3人はほとんど活躍していなかったが、MFドゥドゥはセレソンへの招集、リカルジーニョはケガなので時間待ちだ。FW山下が負傷から復帰し、玉田がアジアカップの活躍ぶりを持ち帰ってくれば、得点力はアップする。中位進出も難しくないと思うがあとは監督なんだな。。。911はマイケル・ムーア監督もビックリな西野ダービー早野ダービーin万博劇場になります。大統領選の結果を左右することはありませんが、どんな名シーンが飛び出すのかお見逃しなく。

----------2004J1セカンドステージ順位  15位    (予想比)

順位 勝点 試合 引分 得点
失点
得失点差
2004年 J1年間順位 16 25 30 5 10 15 29 0.97 (16) 49 1.63 (11) -20
2004年 J1 第1ステージ 15 12 15 3 3 9 14 0.93 (16) 22 1.47 (6) -8
2004年 J1 第2ステージ 15 13 15 2 7 6 15 1.00 (15) 27 1.80 (11) -12
補強成功度戦力損失度選手層監督予想比
DBCB→C-5

この際ハッキリ言いますが、この監督の人選、失敗じゃないですか?小野寺社長は就任時に「リーグの中での監督経験を重視した」「第2ステージでは10番以内に入ってもらわなければ」と話して期待を込めた。確かに95年にマリノスでリーグ優勝を成し遂げ、00年2ndにガンバを4位押し上げた。しかし前者はシーズン途中からの就任で短期決戦だけの成績であり、翌年は16チーム中8位に終わっている。後者も00年1stは13位である。監督経験と瞬間的な成果はあるが、行っていたサッカーの質は低い。それが証明されたのは失点数の増加であり、ゴール裏の過激な段幕であり、天皇杯初戦群馬FCホリコシ戦の完敗(攻守が全く噛み合わずほとんど主導権を取られていた)であった。

リカルジーニョ、山下、平山らケガ人が続出したりドゥドゥがフランスリーグへ移籍という要因もあったが、攻守に渡って意思統一が出来ていなかった感が強い。守備力が決定的にダメというわけでもないのに全く謎な補強だったパラシオスの獲得も全く効果なし。入れ換え戦になってようやく選手が目の色を変えて戦った結果残留できたが、総じて今季の不振は選手よりもフロント、フロントよりも監督の責任のほうが重い。昨季オフに続いて選手の入れ替わりを大幅に行うようだが、今季から始まった3ヵ年計画「レイソル日本一プロジェクト」は再検討しなければならないのではないか。


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11位

大分トリニータ


順位 勝点 試合 引分 得点
失点
得失点差
2004年 J1 第1ステージ 10 17 15 5 2 8 21 1.40 (7) 27 1.80 (14) -6


おもなin
DFパトリック
MF吉村
おもなout
FWビチュヘ

攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
D→CB→CCD→C?→CCD→C

えー、どこのどいつでしょうか。このチームを最下位にしたのは!(爆)でてこい責任者!(自爆)とにかくごめんなさいファーストステージザンゲ大賞は満場一致でこのチームです。それにしても第11節で6位(勝ち点17。5勝2分4敗)なんて、予想できた方いますか?

開幕前の予想で監督の力量は未知数と言ったが、ベルガー監督のオランダでの経験もそのまま通用するとは限らないことと、過去にやってきたオランダ人監督の例(失敗例を多く感じた)から厳しく見ていた。同時に「経験豊富な監督なら手腕でカバーすることもできるだろうが」とも言ったが、これで手腕があることが証明された。実際、攻撃サッカーはウソではない。高松5得点、吉田4得点、マグノ・アウベスと木島が3得点ずつと、特定の選手に得点が偏っていないところも見逃せない。無得点試合は3試合だけだ。

躍進を遂げたが、さらに上昇するかというと懐疑的だ。終盤を4連敗で1stを終えている。シーズン前に懸念した守備力の維持ができなかったことが原因だ(この部分は予想通り、、、)。オランダ人監督らしく攻撃に重点を置いた反動だと思われるが、3失点以上が5試合もある。ただ、これはチーム改革の副作用でもあり、むしろ構築が進んでいると見れるので、ひとつダウンくらいの位置に収まるのではないかと見た。

----------2004J1セカンドステージ順位  16位    (予想比)

順位 勝点 試合 引分 得点
失点
得失点差
2004年 J1年間順位 13 30 30 8 6 16 35 1.17 (15) 56 1.87 (14) -21
2004年 J1 第1ステージ 10 17 15 5 2 8 21 1.40 (7) 27 1.80 (14) -6
2004年 J1 第2ステージ 16 13 15 3 4 8 14 0.93 (16) 29 1.93 (13) -15
補強成功度戦力損失度選手層監督予想比
CBC→DC-5

マグノアウベスにおんぶにだっこ。この一言に尽きる。8得点は確かにすばらしいが、得点できなかった7試合中5試合が無得点というのはいただけない。1stは木島、吉田、高松、松橋といったFW陣がまんべんなく得点を挙げていたが、2ndでは高松の3得点と全試合出場の吉田の1得点のみ。攻撃的サッカーへの変革は結果的にあまりにも一人への依存度が高くなったことで成功したとは言い難い。

そうなるとしんどくなるのが昨年の良さを引き継がなかった守備陣で、敗戦したゲームはすべて2失点以上。しかも3失点が4試合、4失点が2試合もある。DFもサンドロ、パトリックへの依存が高く、負傷や出場停止で欠場するとほとんどのゲームで影響が出た。GKを岡中から高嵜に代えたって焼け石に水。前線から最終ラインまでを20メートルほどに保つコンパクトさも相手チームに研究されて、シーズンを追うごとに理想を放棄。年間を通して退場者8人のワーストタイ記録は、組織だった守備が崩壊している証拠でもある。これではベルガー監督の解任も止むを得ない。チームはえぬきの新監督の皇甫官(ファンボ・カン)は今季の攻撃サッカーを継続するようだが、組織立った攻撃・守備を整備しないと、今季は余裕でクリアできた降格争いに再び顔を出しかねない。


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12位

アルビレックス新潟

順位 勝点 試合 引分 得点
失点
得失点差
2004年 J1 第1ステージ 14 14 15 3 5 7 16 1.07 (14) 25 1.67 (12) -9


おもなin
DF松尾
MF平間
FWオゼアス、ホベルト
おもなout
DFアンデルソン
MF宮沢
FW森田
攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
C→C+CCDBBD→C

ビッグスワンで勝てなかったことと得点力不足。ファーストステージはこの二つに集約されるだろう。マルクスの穴埋めはついにできず、DFアンデルソンを切ってまでもU-20ブラジル代表のホベルトとオゼアスを獲得した。前者は4人目扱いが明白だが、後者はいまだにヴィッセル何で放出したのだろうと不思議でならない。前線でのターゲットになり、なにより日本での実績がある。

フルメンバーか否かの是非はともかくとして、ビッグスワンでボカ・ジュニアーズから金星を収めた事も大きい。J1一年目のチームにとっては成功の積み重ねが重要である。昨年並みとまでは行かなくても、確実にアップした得点力でホームゲームでしぶとさを幾度と見せても驚くべきことではない。

----------2004J1セカンドステージ順位  7位    (予想比)

順位 勝点 試合 引分 得点
失点
得失点差
2004年 J1年間順位 10 37 30 10 7 13 47 1.57 (7) 58 1.93 (15) -11
2004年 J1 第1ステージ 14 14 15 3 5 7 16 1.07 (14) 25 1.67 (12) -9
2004年 J1 第2ステージ 7 23 15 7 2 6 31 2.07 (3) 33 2.20 (15) -2
補強成功度戦力損失度選手層監督予想比
BCD→CB+3

何といってもエジミウソン・ファビーニョ・オゼアスのブラジル人トリオの活躍に尽きる。10・8・4得点の計22得点は総得点の7割を占める。この3人のおかげで6節から9節にかけて4連勝を果たし3位まで浮上できたと言って過言ではない。その後、震災の影響があったかどうか定かでないが3連敗を喫したが、0.5枠で危険性が低いとはいえJ1残留が目標だったチームとしては、申し分のない結果である。

オゼアスのポストプレーとエジミウソン・ファビーニョのスピードは確かに脅威であったが、副作用も出た。この3人への依存度が高くなり、他の切り札は左サイド鈴木慎吾の突破と運動量豊富なスーパーサブのFW上野くらい。その代わり右サイドの攻撃は機能しなかった。DFが不安定で3失点以上が4試合もあった中で結果を出すには、チームのねらいを明確にして戦うしかなかったのだろう。そういった意味で反町監督は残留の方程式通りによくやったと思うが、このやり方は対処療法でしかない。山口・ファビーニョ・上野らを筆頭に主力は高齢化し、フィールドプレーヤーの最年少がエジミウソンの22歳だ。今オフもオゼアスの放出を含めて選手の入れ換えがかなり行われているようだが、新卒ルーキーが5人入団し、ようやく能力のある若手を育てていく方針になってきた。反町体制も5年目になり、選手を育てながらJ1に定着できるか真価の問われるシーズンになる。