ついに15チーム、3クール制になった。45節42試合制。昨年よりも6試合減ったが、休みの少ないハードなスケジュールがつづく。各チームとも有力なタレントを擁するチームが増えてきたが、昇格するには選手層の厚さやフロントワークが欠かせない。ひとむかし前の頃なら堅守か外国人点取り屋がいれば大抵昇格できたが、近年は中盤が強力だとか、ラッキーボーイの出現も欠かせない要素になってきている。
そんな視点から昇格チームにサンフレッチェとセレッソは欠かせない。前者は駒野とウェズレイが抜けただけで、陣容は頭一つ抜けている。色気を出して攻撃偏重になって墓穴を掘ったが、堅守を取り戻せば自動昇格は難しくない。後者は昨年監督交代後から、昇格ペースだった。小松や香川といったイキのいい若手がチームを活性化し、古橋ら主力を刺激。守備にやや手薄だが、補えるほど強力な攻撃陣が控えている。
3位争いは相当な混戦になる。J1でショートパス&プレッシングの爽快なサッカーを魅せてくれたもののFWに泣いたヴァンフォーレよりも、DF・両サイド・中盤がしっかりしていても、昇格失敗ごとにチーム再構築で継続性がないベガルタよりも、ベルマーレを推したい。二ケタゴールで得点ランク入りした原と石原がいる。昨年加入した斎藤とジャーンのCBは盤石だ。決してアジエルだけのチームではない。さらにFWにリンコンを獲得して、本気で昇格を狙いに来ている。サガンは昨年けが人に泣いてなかなか安定した戦いができなかった。24得点の藤田、ボランチの高橋・衛藤、CB飯尾といったセンターラインがしっかりしているので、ちょっとした上積みでさらに上位を狙える。
J2中位になると、昇格に向けてもがくチームと下剋上を目指すチームが入り乱れてくる。アビスパは02年に昇格失敗した時と同様に、とっかえひっかえですか。歴史は繰り返しますねー。って、フロントの能力は相変わらず低いことを証明している。その点、モンテディオは、昇格・残留といった経験豊富な小林監督は期待できる。レオナルド・小原のCBを始めとしてレギュラークラスは強力だが、DF・MF最後まで昇格戦線に踏みとどまるには選手層が薄い。愛媛FCは、組織力・運動量があり、上位チームにとって厄介な相手だ。横浜FCはサカツクですかー。昇格した年の長所が消えた。プラスは御給だけ。峠を過ぎた選手ばかりでは乗り切れない。若手は出てくるのだろうか。
フタ桁順位には、近年昇格してきたチームが多い。その中でもザスパの展望が明るい。一昨年大車輪の活躍ぶりが印象深い島田が復帰。他にも 高田・熊林など、攻撃陣は経験豊富で計算できる選手が多くなってきた。共に監督が代わったホーリーホックとヴォルティスは、未知数要素が大きい。前田前監督が5年間かけて築いてきた水戸ナチオがある分、この順序にした。後者は3バックなのか4バックなのか、パス回しでいくのか守ってカウンターなのか、一貫性がなかったので再びやり直しになる。
最後に昇格組だが、まずは一年間大きなトラブルを抱えずに、無難に運営してほしい。昨年までと違って、勝ちゲームばかりで観客を惹きつけることはできない。負けが多いながらも確実に固定ファンを増やしてほしい。3年後に上のカテゴリーに行きたいならなおさらだ。そんな観点から、片桐、相川といったFW陣は魅力ながらもチーム体制に不安なFC岐阜よりも、ロアッソのほうが上位になりそうな気がする。