昨シーズンからアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場チームをJリーグが支援するようになって、参加チームの意識が変わってきた。昨年のレッズがACLを制覇したことも刺激されて、国内リーグと同等のプライオリティを持つようになってきた。しかし、そのレッズもアジア制覇後は燃え尽き症候群になるかのように勢いが落ち、リーグ・天皇杯ともに制覇できなかった。この例を見るように、いまだACLとリーグ戦の両立に成功したチームはない。今季もACLが大きく優勝戦線に左右してくると見る。
その点、最も有利なのはフロンターレだ。リーグ戦に専念できることはだけでなく、J1J2両得点王を揃えた破壊力は脅威。このジュニーニョとフッキを生かすためにチョン・テセと3トップを組み、実のある我那覇と黒津をサブに置ける。これは反則と言っていいでしょう。このFW陣を生かす山岸の加入も大きい。不安は3バックのときのサブの薄さと、王者のメンタリティがないことだが、これを補って余るほどの破壊力を秘めている。
これを追う第一候補のアントラーズは、ACL初体験が多く両立困難だろう。伝統の勝負強さが戻ってきているのが強みで、黄金時代のお得意後半追い上げパターンで最低限の位置にはつけられる。レッズは昨年終盤までのACLとの両立は生かせるが、攻撃陣がほぼ総とっかえ。長谷部とワシントンの穴は、エジミウソンと高原と梅崎で再構築。ポンテが復帰するまでに勝ち点で離されないこと。ガンバは計算できる選手がたくさん入り選手層は厚くなったが、上位3チームよりも陣容が代わり、未知数な部分が多い。大好きな夏場を終えてからの戦い次第。例年第四コーナーでコケている。
5〜9位に予想したチームは、優勝争いには一歩及ばないが、はっきりとした長所がある。エスパルスはDF・MFが世代交代して計算できる。長谷川監督は上手にチームを作り上げた。駒野が移籍してきたジュビロは、その両サイドと3バックが強力。3年目の石崎ノブリン率いるレイソルは、手堅さはそのままにアレックス、リンコンと計算できる外国人選手が入った。F・マリノスは山瀬・中澤・坂田、ヴィッセルは大久保・レアンドロに加えて松橋と、タレントをそろえている。勢いに乗ればさらに上を目指せるチームばかりだ。
二ケタ順位前半は、結構モチベーションの維持が難しい。優勝争いにも降格争いにも関係なく、下のほうに順位が落ちても「まだ大丈夫だろう」という空気が蔓延しやすい。昨年躍進したアルビレックスは、エジミウソンと坂本の穴が大きい。千代反田を中心とした守備陣は計算できるので、あとは新外国人FW次第。このチームは外国人が割合活躍する確率高い。反対に昇格してきたサンガは、昨年の良いところに上積みできた。柳沢・佐藤勇人の加入は大きい。シジクレイの復帰は精神的支柱になる。FC東京は、まず今野をボランチに専念させること。CBで起用しなければいけないようだと苦しい。次にFWの固定。平山の覚醒はあるのか。オシムっ子が惜しむこともなく大量に去って行ったジェフは、残留に必要な監督と戦力がそろっている。クゼ監督はガンバ時代にエムボマを中心にリアクションスタイルで躍進した。巻・新居がいればその再現は可能。精神的支柱の坂本の復帰も大きい。トリニータも梅崎・松橋が去って行ったものの、案外ダメージは大きくない。残留に貢献した鈴木慎吾・ホベルト・エジミウソンの存在が大きい。家長の長期離脱とウェズレイに往年の力は残っているのかが懸念だが、残留できるだけの戦力はある。
グランパスはピクシー以降に有力な選手が出てきていないツケがやってきた。中盤の層が薄いのに、本田の穴は痛い。監督の求心力頼みでは心もとない。ヴェルディはフッキが抜けてゼロから再構築。ディエゴだけではしんどい。フランシスマールが期待通りなら明るいが。悪しき前例がたくさんあったのに、土肥・福西といったベテラン加入はプラスなのだろうか。 アルディージャは現状維持できるが、上積みがない。ギリギリ残留が精一杯。組織力・守備陣は計算できるが、外国人FW大ハズレの歴史に終止符を打ちたい。
最後に、最下位に予想したチームですが、、、
まぁ、客観的に診て最低レベル。昇格組の中でも劣る。ここ数年、守備力で昇格したチームはみんなその年にリバースしている。そのウリのDF陣だって、曽田の頭ぐらいしか突出したものはない。攻撃陣だってJ1経験が豊富なのは砂川と西谷くらいだ。開幕直前に緊急補強したクライトンをイチかバチかのぶっつけ本番で起用しなければいけないほど、チーム事情は切迫している。
しかーし、ここから重要なことをいうからしっかり聞いとくれ。これまでの順位予想で、最下位を一回も当てたことがない(J2も)。どんな結果になっているのか、シーズン終了後に振り返ってほしい。