2005年度J1短評(1)

前半戦第12節(5/14・15)

第12節終了時点結果
順位 (第12節終了時) 勝点 得点 失点 得失差 最大勝点 一試合平均勝点
(予想勝点)
1 鹿島アントラーズ 29 12 9 2 1 23 1.92 (2) 10 0.83 (2) 13 95 2.42 (82)
2 サンフレッチェ広島 20 12 5 5 2 18 1.50 (4) 8 0.67 (1) 10 86 1.67 (56)
3 ガンバ大阪 19 12 5 4 3 26 2.17 (1) 22 1.83 (17) 4 85 1.58 (53)
4 名古屋グランパスエイト 18 12 5 3 4 17 1.42 (7) 16 1.33 (7) 1 84 1.50 (51)
5 ジュビロ磐田 18 12 5 3 4 15 1.25 (10) 14 1.17 (5) 1 84 1.50 (51)
6 浦和レッズ 17 12 4 5 3 15 1.25 (10) 11 0.92 (4) 4 83 1.42 (48)
7 ジェフユナイテッド千葉 17 12 4 5 3 22 1.83 (3) 19 1.58 (13) 3 83 1.42 (48)
8 大宮アルディージャ 17 12 5 2 5 18 1.50 (4) 17 1.42 (9) 1 83 1.42 (48)
9 横浜F・マリノス 16 12 4 4 4 16 1.33 (9) 14 1.17 (5) 2 82 1.33 (45)
10 清水エスパルス 16 12 3 7 2 11 0.92 (16) 10 0.83 (2) 1 82 1.33 (45)
11 セレッソ大阪 16 12 4 4 4 14 1.17 (13) 16 1.33 (7) -2 82 1.33 (45)
12 大分トリニータ 16 12 5 1 6 14 1.17 (13) 17 1.42 (9) -3 82 1.33 (45)
13 川崎フロンターレ 14 12 4 2 6 18 1.50 (4) 17 1.42 (9) 1 80 1.17 (39)
14 東京ヴェルディ1969 14 12 3 5 4 17 1.42 (7) 20 1.67 (14) -3 80 1.17 (39)
15 アルビレックス新潟 14 12 3 5 4 13 1.08 (15) 23 1.92 (18) -10 80 1.17 (39)
16 FC東京 11 12 3 2 7 15 1.25 (10) 20 1.67 (14) -5 77 0.92 (31)
17 柏レイソル 10 12 2 4 6 9 0.75 (18) 17 1.42 (9) -8 76 0.83 (28)
18 ヴィッセル神戸 9 12 2 3 7 11 0.92 (16) 21 1.75 (16) -10 75 0.75 (25)
最大勝点(勝点+残り試合全勝したときの勝点)
該当チームがシーズン終了時点で獲得可能な勝点。
一試合平均勝点(勝点÷試合数)
勝点を一試合当りに換算。
*05年と同じ18チーム制の1998年年間14位のコンサドーレ札幌は0.88(勝点30)。
*同15位ガンバ大阪、同16位ジェフユナイテッド市原、同17位ヴィッセル神戸は0.73(勝点25)。
*同18位アビスパ福岡は0.61(勝点21)。
予想勝点(一試合平均勝点×全試合数)
一試合平均勝点をもとに、今シーズンどのくらい勝点を獲得できるか試算(小数点以下切捨て)。

約一ヵ月半の中断期間に入り、次節は7/2・3になる。1〜2位と4〜18位の勝ち点差は共に9。中断期間次第で充分逆転可能な数字だ。逆に転落する危険性もある。ようやく2勝目を挙げたヴィッセルもシングル順位は手に届く範囲だ。それにしても開幕4戦を3勝1分で飛び出したFC東京が16位ですか。。。今回触れる7チームについては、中断前の総評として見て行く。

(5)ジュビロ磐田

昨年後半からの問題は解決できていない。15得点(1.25)でまずまずの数字に見えるがとんでもない。9節レイソル戦の4得点を省いてみよう。一試合平均1.00になり、エスパルス並み(0.92)の攻撃力になるではありませんか。ケガやアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の影響があるとはいえ、チェ・ヨンスとグラウが共に4試合出場でノーゴールなのは誤算だ。中山隊長は出場と故障の繰り返しの状態がつづく。3得点の前田と、初ゴールを挙げてからブレイクし4得点でチーム得点王のカレン・ロバートの世代交代のタイミングになっているのだが、どう起用していくのか。

7節(4/24)アントラーズ戦に負けた時点で15位。しかしこれを最後に負けなし。4/20に2試合を残してACL1次敗退が早々と決まったおかげなのだろうかと皮肉を言いたくもなる。藤田・服部がコンスタントに先発出場されるようになって、ようやく順位が上がってきた。藤田にしてみれば出れば結果を出せる自信があり、フロントにしてみたら出れば戦力になるということで頑なになる。どのような結論になるのかわからないが、選手起用とフロントの拙さで生殺し状態になっていることだけは間違いない。

(9)横浜F・マリノス

無得点は1節ジュビロ戦と12節レッズ戦の2試合。無失点試合も5節レイソル戦と11節サンフレッチェ戦の2試合。全くもって強いのか弱いのかわからない。しかしこれが2年連続年間チャンピオンでACLに出場しているとなると、序盤はペースを温存していて虎視眈々と上位を狙っているかのように見えるのだから不思議なものだ。リーグ戦12試合でこのチームらしさが出ているのは、11節サンフレッチェ戦ではないだろうか。松田、那須、ドゥトラ、田中隼磨、大島、アン・ジョンファンを外すとなれば一人だけでも大事なのにみんなメンバー落ち。代わりの中西、熊林、山瀬兄弟、塩川、坂田、清水できっちり勝利をモノにしている。しかし3日後のACLでロスタイム7分にやられたのはいただけない。アン・ジョンファンは移籍濃厚だが久保が戻ってきており、中断期間後は山瀬功治の完全復活も期待できる。これを書いている5/27時点では何やら3-5-2から4-4-2にシステム変更するらしく、豊富な人材をどのように活用していくのか見物である。

(12)大分トリニータ

第7節ヴィッセル戦より3-5-2から4-4-2の布陣に変更。それまで2勝4敗で5節には18位まで落ちていたが、11節には8位まで浮上した。右SB吉村、CB深谷、CB柴小屋、左SB有村で4バックがほぼ固定され、変更前の6試合10失点(1.67)から6試合7失点(1.17)に守備が向上している。

中盤は元々FWの吉田が一時ボランチを務めるほどの日替わりメニュー。しかし最終ラインがしっかりしていて2トップが強力であればカウンター戦術を執りやすい。マグノ・アウベスとドドの2トップは二人だけでも個人技で決定的な場面を作り出すことができる。しかし、パトリックを含めて外国人籍選手には常に国内外から移籍の話がつきまとっている。胸スポンサーのないチームがいつまでもこの体制を維持できるとは考えずらい。ファンボ・カン監督は初采配のわりにはここまでよくチームを作ってきたと思うが、正念場はこれからになると思う。

(14)東京ヴェルディ1969

(15)アルビレックス新潟

やっぱりビッグスワン。ホームで3勝2分1敗はスゴイ。アゥェーだと3分3敗ですから、なんともわかりやすい。しかもその3敗は全部4失点以上なんですね。相手はFC東京F・マリノスサンフレッチェとみんな得点力のあるチームなものだから、これまたわかりやすい。もうひとつ付け加えると、3勝の相手はトリニータアルディージャフロンターレとみんな長いJ2時代に何度も対戦してきたチームばかり。

このチームを語るとき避けて通れないのはこ、構造的特長だ。得点力は相変わらず外国人に頼りすぎ。エジミウソン3得点、アンデルソン・リマ3得点(しかもすべてFK)、ファビーニョ2得点。あとは十八番の左サイドからの鈴木慎吾の2得点が目立つ位。右サイドからの攻撃や守備の強化といった昨年からの課題は持ち越しになっている。4バックはCB海本慶治がフルタイム出場を果たしているが、それだけでは心もとない。

(16)FC東京

5節グランパス戦の初黒星から6連敗。その試合は加地が負傷欠場し、その代役の藤山も負傷交代で長期欠場を強いられた。ワンボランチの今野がよく前に出て来て怒涛の攻撃を展開できていたものの、石川にボールが渡らず得意のサイド攻撃できずリズムを崩したことがその後の低迷になるとは思ってもみなかった。左SBの金澤も負傷欠場して、11節アルディージャ戦から今野が左SBで浅利がワンボランチの布陣。そもそもワンボランチのシステムは今野が務めるからこそ成立しているのであって、シーズン前に原監督が描いていた構想は崩壊した。再開後に負傷者が戻ってくることを期待し、今のところは監督更迭論もほぼ消えかかっているが、柔軟なシステム変更か選手層の強化が必要に思える。なんせ原監督はレッズ時代の99年、当時新人の盛田のセンターフォワードにこだわりすぎてどん底に陥れた張本人である。

(17)柏レイソル

まずはホームでの勝ち星がない。さかのぼると04年開幕戦以来ホームでの白星はない。ホームでの引き分けにしても1節フロンターレ戦(柏)と11節アルビレックス戦(柏の葉)しかない。これではいつ暴動が起きても不思議ではないですよ(アノ件はアゥェー側にも問題があるという説もあるみたいだが)。

守備は近藤が左SB、中澤がCBに定着し、波戸の右SB、土屋のCBと共に4バックを形成。4失点の9節ジュビロ戦、3失点の3節アントラーズ戦を除いて大きな破綻は無い。攻撃は大問題でチーム得点王のクレーベルが3得点を挙げている他は、山下、谷沢、大野、安永、平山がそれぞれ1得点。肝心の玉田はいまだノーゴール。これは玉田を生かした戦術ができていないことでもある。パスミスが目立つだけで、どのように戦っていきたいのか見えてこないのだ。4バックはベストメンバーを組めればソコソコ戦えるだけに、クレーベルや玉田をうまく活用しないと、最後まで降格争いから抜けきらない可能性が高い。


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前半戦第9節(5/1)

第9節終了時点結果
順位 (第9節終了時) 勝点 得点 失点 得失差 最大勝点 一試合平均勝点
(予想勝点)
1 鹿島アントラーズ 22 9 7 1 1 17 1.89 (3) 7 0.78 (2) 10 97 2.44 (83)
2 名古屋グランパスエイト 17 9 5 2 2 16 1.78 (5) 11 1.22 (4) 5 92 1.89 (64)
3 サンフレッチェ広島 16 9 4 4 1 16 1.78 (5) 6 0.67 (1) 10 91 1.78 (60)
4 川崎フロンターレ 14 9 4 2 3 17 1.89 (3) 13 1.44 (9) 4 89 1.56 (52)
5 セレッソ大阪 14 9 4 2 3 11 1.22 (12) 11 1.22 (4) 0 89 1.56 (52)
6 ガンバ大阪 13 9 3 4 2 18 2.00 (2) 17 1.89 (14) 1 88 1.44 (49)
7 大宮アルディージャ 13 9 4 1 4 14 1.56 (8) 13 1.44 (9) 1 88 1.44 (49)
8 ジェフユナイテッド千葉 12 9 3 3 3 19 2.11 (1) 17 1.89 (14) 2 87 1.33 (45)
9 横浜F・マリノス 12 9 3 3 3 14 1.56 (8) 12 1.33 (7) 2 87 1.33 (45)
10 大分トリニータ 12 9 4 0 5 12 1.33 (11) 15 1.67 (12) -3 87 1.33 (45)
11 清水エスパルス 11 9 2 5 2 8 0.89 (18) 8 0.89 (3) 0 86 1.22 (41)
12 ジュビロ磐田 11 9 3 2 4 11 1.22 (12) 12 1.33 (7) -1 86 1.22 (41)
13 浦和レッズ 10 9 2 4 3 13 1.44 (10) 11 1.22 (4) 2 85 1.11 (37)
14 FC東京 10 9 3 1 5 11 1.22 (12) 13 1.44 (9) -2 85 1.11 (37)
15 東京ヴェルディ1969 10 9 2 4 3 15 1.67 (7) 18 2.00 (16) -3 85 1.11 (37)
16 柏レイソル 9 9 2 3 4 9 1.00 (15) 15 1.67 (12) -6 84 1.00 (34)
17 アルビレックス新潟 9 9 2 3 4 9 1.00 (15) 20 2.22 (17) -11 84 1.00 (34)
18 ヴィッセル神戸 5 9 1 2 6 9 1.00 (15) 20 2.22 (17) -11 80 0.56 (18)
最大勝点(勝点+残り試合全勝したときの勝点)
該当チームがシーズン終了時点で獲得可能な勝点。
一試合平均勝点(勝点÷試合数)
勝点を一試合当りに換算。
*05年と同じ18チーム制の1998年年間14位のコンサドーレ札幌は0.88(勝点30)。
*同15位ガンバ大阪、同16位ジェフユナイテッド市原、同17位ヴィッセル神戸は0.73(勝点25)。
*同18位アビスパ福岡は0.61(勝点21)。
予想勝点(一試合平均勝点×全試合数)
一試合平均勝点をもとに、今シーズンどのくらい勝点を獲得できるか試算(小数点以下切捨て)。

1・2位がともに敗れ、2位と3位の勝ち点差は1。3位と4位の差は勝ち点2だが、勝ち点差5の中に4〜17位の14チームがひしめいている。出遅れたチームには巻き返しのチャンスは十分あるが、歯車が狂うとアリ地獄が待っている。

(5)セレッソ大阪

なぜかアントラーズには伝統的に強いですね。相性なのでしょうか。もっとも勝ったからにはそれなりの理由があるわけで、ここ数年のお家芸であった大量失点がなくなってきたことだろう。4節以降は負けなしで、しかも失点は1点以内である。ディフェンスの意識が高く、ブルーノクアドロス、前田、柳本の3バックの役割分担もしっかりしている。なぜか江添が負傷して今季絶望になってから調子が良くなってきたのはなんとも皮肉だ。今期は爆発的な攻撃は見られないが、守備が良くなったおかげで安定した戦いができている。これは小林監督の手腕と言っていよい。

(13)浦和レッズ

ネネを始めとして故障者続出だろうが、アルパイがサテライト落ちしたまま腐りかけていようが、エメルソンと田中が点を取れればいいーんです。そう言わんばかりの結果に終わった。しかし前35分の田中のゴールはワンタッチでボールが動いて組織的守備を崩し、楢崎を前に誘い出した結果だった。その3分後のエメルソンのゴールも、永井との連動により生まれている。

試合の序盤から攻撃のスピード任せて攻撃を執拗に試みるも、なかなか成果が出なかった。グランパスの3バックにしっかり抑えられたせいでもあるが、中盤から先がつながらない、または三都主を生かしていない感があった。そこでボールを繋いでゴールに結びつけるパターンが出てきたのは、勢いに乗る気配が出てきた証拠である。そんなタイミングで守備の弱いヴィッセル戦とジェフ戦を迎えるのはなんともラッキーであり、また、相手にとっては気の毒としか言いようがない。


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前半戦第7節(4/23・4/24)

第7節終了時点結果
順位 (第7節終了時) 勝点 得点 失点 得失差 最大勝点 一試合平均勝点
(予想勝点)
1 鹿島アントラーズ 19 7 6 1 0 15 2.14 (2) 6 0.86 (3) 9 100 2.71 (92)
2 名古屋グランパスエイト 14 7 4 2 1 11 1.57 (6) 4 0.57 (1) 7 95 2.00 (68)
3 サンフレッチェ広島 12 7 3 3 1 10 1.43 (7) 5 0.71 (2) 5 93 1.71 (58)
4 横浜F・マリノス 11 7 3 2 2 12 1.71 (5) 9 1.29 (5) 3 92 1.57 (53)
5 ガンバ大阪 10 7 2 4 1 14 2.00 (3) 13 1.86 (15) 1 91 1.43 (48)
6 FC東京 10 7 3 1 3 10 1.43 (7) 9 1.29 (5) 1 91 1.43 (48)
7 大宮アルディージャ 10 7 3 1 3 10 1.43 (7) 10 1.43 (8) 0 91 1.43 (48)
8 セレッソ大阪 10 7 3 1 3 9 1.29 (11) 10 1.43 (8) -1 91 1.43 (48)
9 ジェフユナイテッド千葉 9 7 2 3 2 16 2.29 (1) 15 2.14 (16) 1 90 1.29 (43)
10 東京ヴェルディ1969 9 7 2 3 2 10 1.43 (7) 12 1.71 (13) -2 90 1.29 (43)
11 大分トリニータ 9 7 3 0 4 9 1.29 (11) 11 1.57 (11) -2 90 1.29 (43)
12 川崎フロンターレ 8 7 2 2 3 14 2.00 (3) 12 1.71 (13) 2 89 1.14 (38)
13 アルビレックス新潟 8 7 2 2 3 9 1.29 (11) 15 2.14 (16) -6 89 1.14 (38)
14 清水エスパルス 7 7 1 4 2 6 0.86 (17) 7 1.00 (4) -1 88 1.00 (34)
15 ジュビロ磐田 7 7 2 1 4 5 0.71 (18) 10 1.43 (8) -5 88 1.00 (34)
16 浦和レッズ 6 7 1 3 3 8 1.14 (14) 9 1.29 (5) -1 87 0.86 (29)
17 柏レイソル 6 7 1 3 3 7 1.00 (16) 11 1.57 (11) -4 87 0.86 (29)
18 ヴィッセル神戸 5 7 1 2 4 8 1.14 (14) 15 2.14 (16) -7 86 0.71 (24)
最大勝点(勝点+残り試合全勝したときの勝点)
該当チームがシーズン終了時点で獲得可能な勝点。
一試合平均勝点(勝点÷試合数)
勝点を一試合当りに換算。
*05年と同じ18チーム制の1998年年間14位のコンサドーレ札幌は0.88(勝点30)。
*同15位ガンバ大阪、同16位ジェフユナイテッド市原、同17位ヴィッセル神戸は0.73(勝点25)。
*同18位アビスパ福岡は0.61(勝点21)。
予想勝点(一試合平均勝点×全試合数)
一試合平均勝点をもとに、今シーズンどのくらい勝点を獲得できるか試算(小数点以下切捨て)。

早々と2チームのマッチレースになる気配がある。アントラーズの6連勝ばかり注目されるが、グランパスも10年ぶりの3試合連続無失点で3連勝で2位につけている。両者の直接対決は16節(7/13)。三つ巴、四つ巴の展開になるのだろうか。

(3)サンフレッチェ広島

気がついたらこのチームも3連勝を記録。守備の良さには定評があったが、得点も取れるようになってきた。特にフォワードの競争が激しい。1得点の大木を軸にして、2得点のガウポン、3得点の茂木が共に得点を挙げた。ベガルタから移籍してきた佐藤寿人がメンバー落ちし、昨年移籍してきた盛田に至ってはまだ6分間しか出場していない。ユースから昇格し既に1得点を挙げた前田もおり、攻撃は森ア和幸だのみではなくなった。

そうなると必然と自信が生まれてきて、同点にされても1分もたたないうちに茂木の決勝ゴール。少ない好機を確実にものにする勝負強さがある。押される時間帯が多く、内容的には今季最悪とも言えたものだが、勝ち方がわかってきた証拠だ。内容、結果、自信が好循環を生んでいる。次節、調子が上がってきたセレッソ戦を皮切りに、アルビレックスジェフF・マリノスと、まさに黄金週間になる気配がある。

(7)大宮アルディージャ

連敗が3でストップ。連敗中は必ず前半25分までに失点を喫し、動揺してミスを生む悪循環に陥っていた。しかし猛攻をしのいで組織的守備は崩れずに踏みとどまった。前半を無失点で終えた試合は今季3戦3勝。ラインをコンパクトに保ちプレスをかけ続けた。攻撃はMF藤本が好調。FW桜井が左太ももの肉離れが完治していないものの一ヶ月ぶりに出場し、決勝ゴールを挙げた。これからトリニータエスパルスレイソルと実力差が拮抗したチームとの対戦が続く前に格上チームに勝てたことは大きい。

(14)清水エスパルス

長谷川監督ようやく初勝利。このチームは下位に甘んじているが、実は守備がスゴイ。7失点は4番目に良い。よーく見たら、4バックは市川・斉藤・森岡・山西。。。って、ほぼ代表クラスじゃないですか。この4人ともフルタイム出場中ですよ。そりゃー良くて当然ですわ。

そうなると問題は得点力で、FW北嶋を故障で欠くのが痛い。復帰は6月以降になる見込み。今節は今季リーグ初先発の沢登が中盤左サイドに入り、攻撃を組み立てた。途中投入された高木純、平松も両サイドの攻めを活性化させ、決勝ゴールのFW久保山を含めて、てこ入れを図って送り込んだ選手が期待に応えた。一試合2得点は今季初で、ジェフと同様に守備の弱い次節アルビレックス戦も期待できるのでは。


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前半戦第6節(4/16・4/17)

第6節終了時点結果
順位 (第6節終了時) 勝点 得点 失点 得失差 最大勝点 一試合平均勝点
(予想勝点)
1 鹿島アントラーズ 16 6 5 1 0 13 2.17 (2) 5 0.83 (4) 8 100 2.67 (90)
2 名古屋グランパスエイト 11 6 3 2 1 9 1.50 (5) 4 0.67 (1) 5 95 1.83 (62)
3 横浜F・マリノス 11 6 3 2 1 11 1.83 (4) 7 1.17 (6) 4 95 1.83 (62)
4 FC東京 10 6 3 1 2 7 1.17 (10) 4 0.67 (1) 3 94 1.67 (56)
5 サンフレッチェ広島 9 6 2 3 1 8 1.33 (7) 4 0.67 (1) 4 93 1.50 (51)
6 ジェフユナイテッド千葉 9 6 2 3 1 15 2.50 (1) 13 2.17 (16) 2 93 1.50 (51)
7 川崎フロンターレ 8 6 2 2 2 13 2.17 (2) 10 1.67 (12) 3 92 1.33 (45)
8 東京ヴェルディ1969 8 6 2 2 2 8 1.33 (7) 10 1.67 (12) -2 92 1.33 (45)
9 ガンバ大阪 7 6 1 4 1 9 1.50 (5) 10 1.67 (12) -1 91 1.17 (39)
10 大宮アルディージャ 7 6 2 1 3 8 1.33 (7) 9 1.50 (9) -1 91 1.17 (39)
11 セレッソ大阪 7 6 2 1 3 7 1.17 (10) 9 1.50 (9) -2 91 1.17 (39)
12 ジュビロ磐田 7 6 2 1 3 4 0.67 (17) 8 1.33 (8) -4 91 1.17 (39)
13 アルビレックス新潟 7 6 2 1 3 7 1.17 (10) 13 2.17 (16) -6 91 1.17 (39)
14 浦和レッズ 6 6 1 3 2 7 1.17 (10) 7 1.17 (6) 0 90 1.00 (34)
15 柏レイソル 6 6 1 3 2 7 1.17 (10) 9 1.50 (9) -2 90 1.00 (34)
16 大分トリニータ 6 6 2 0 4 7 1.17 (10) 10 1.67 (12) -3 90 1.00 (34)
17 ヴィッセル神戸 5 6 1 2 3 7 1.17 (10) 13 2.17 (16) -6 89 0.83 (28)
18 清水エスパルス 4 6 0 4 2 4 0.67 (17) 6 1.00 (5) -2 88 0.67 (22)
最大勝点(勝点+残り試合全勝したときの勝点)
該当チームがシーズン終了時点で獲得可能な勝点。
一試合平均勝点(勝点÷試合数)
勝点を一試合当りに換算。
*05年と同じ18チーム制の1998年年間14位のコンサドーレ札幌は0.88(勝点30)。
*同15位ガンバ大阪、同16位ジェフユナイテッド市原、同17位ヴィッセル神戸は0.73(勝点25)。
*同18位アビスパ福岡は0.61(勝点21)。
予想勝点(一試合平均勝点×全試合数)
一試合平均勝点をもとに、今シーズンどのくらい勝点を獲得できるか試算(小数点以下切捨て)。

4連勝で一気に首位に踊り出たアントラーズが勝点差5をつけ、混戦の2位以下を引き離そうとする勢いだ。2位のグランパスは前節6位。同じ勝点差5でも、下には15チームがひしめいている。未勝利チームは最下位のエスパルスのみになった。

(1)鹿島アントラーズ

ここ数年の得点力不足がウソのようにゴールを重ねている。そのきっかけが点を取らなくても日本代表で評価されるFW鈴木の負傷なのが皮肉である。アレックスミネイロもここ数年の外国人選手では“当り”であり、憎たらしいほど強い頃のチームが戻ってきた。絶好調のジェフから4点をもぎ取っただけでなく、ストヤノフを一発退場に追い込んだところも試合巧者ぶりがこれでもかと伺える。そのきっかけになったのは、初出場の右SBアリが前へ前へと仕掛けていた。ドリブルも上手く各チームは要注意。守備はCB岩政が一対一の強さを如何なく発揮した。セットプレーのヘッドも得点源になっている。次節24日はジュビロとのジャパンダービー、28日はヴィッセルとの対戦で何点取ることになるのだろうか。

(2)名古屋グランパスエイト

攻撃サッカーを掲げるFC東京に初黒星をつけ、破壊力抜群のフロンターレと2試合連続完封勝利を収めたことは大きい。センターバックは増川と古賀が相手フォワードをよく抑えている。アノ秋田が今節初先発ですよ。そう簡単に失点を重ねることはないだろう。攻撃は左の本田、右の中村のサイド攻撃が機能。マルケス頼みにならないでいる。中盤でよくボールが回っているが、負傷したアン・ヨンハッが欠場しても攻撃がうまくいくかどうかは未知数である。

(6)ジェフユナイテッド千葉

(7)川崎フロンターレ

(9)ガンバ大阪

今節も後半42分に同点ゴールを喫した。後半40分以降の失点は今期3点目。1勝1敗4分の五分といえば聞こえはいいが、勝ちきれていないゲームが多い。今節の1失点目は明らかにGK日野のミス。シジクレイ、実好、宮本らDF陣にタレントを揃えているのに今だ無失点試合がない程失点が多いのは不思議でならない。大黒とアラウージョが3得点ずつ挙げているからまだいいものの、肝心の大黒になかなかパスが来なかったこともあり、今節のみたいにF・マリノスのような守備のよいチーム相手だと苦戦するのではないだろうか。

(17)ヴィッセル神戸

6節終了時点で松永監督解任。後半勝負で前半は守るサッカーを目指していたのに先制点を取られたり、一貫性のない選手交代や指示で現場の求心力は低下し、最後に急造4バックで臨んで完敗となれば解任も致し方ない。しかし今回は監督・選手・フロントの責任は3等分ではないだろうか。昨年秋に他の監督候補にことごとく断られ、ヘッドコーチの予定が昇格という形になった。その上、昨年も今年と同じ経緯で監督交代を経験しているのに、選手の意識は全く変わっていない。そのため規律が厳しいことで知られるレオン新監督をブラジルでの契約がクリアになった状態で今回招聘したのはわかるが、それなら初めから暫定監督を据えておけばよかったんじゃないかと思う。

批判はこの位にしてレオン新監督の采配を思い出してみると、エスパルス時代は忘れているので、ヴェルディでラモスが対立を避ける為に電撃移籍し、マグロンへの放り込みサッカーで天皇杯を制覇した記憶しか残っていない。カズ・播戸・和多田はタイプが違い、その戦術を目指すなら出場機会がないエムボマ・平瀬になるだろう。ただ、それを実現できたにせよ、ヴェルディの時、退任後のチームはボロボロになっており、長期ビジョンを見据えた人選とは言い難い。このチームは2007年までにタイトルを取ることと観客動員数の目標はよく耳にするが、中長期的段階は見えてこない。シーズン開始前の予想で高く評価していたのは、松永前監督の手腕により時間をかけてチームを作ることができると見ていたのだが、この決断の早さが間違いの始まりだったとならないよう願いたい。