2003年J1セカンドステージ 予想&分析
Cグループ(4チーム)

13位 ベガルタ仙台
15試合3勝9敗3分勝点12(15位)
17得点(1.13)28失点(1.87)得失点差−11

FWマルコスを負傷で欠きながらも開幕4試合を3勝0敗1分けで乗り切り、あわよくば首位を伺おうかといった時期がありました。
このとき佐藤寿人と山下で補填できて、降格争いから脱出して上位進出か、と期待させたんですが甘くなかったです。
その4/19が最後の白星ではどうにもなりません。
そこから中断までの6試合は3得点10失点で0勝5敗1分け。去年や今年春先の快進撃は得点を奪ってモノにしてきたのに、
点をとれなきゃどうにもとまらない。
GK高桑、DF小村の負傷長期離脱も痛いが、最もイタかったのは、長期化したマルコスの負傷にちがいない。
なんせ、出場した2試合で3ゴールですよ、オトーサン。
もっとも、どちらも3失点ずつで1敗1分け。やっぱり問題は守備なのだろうか。
そうなるとニワトリが先かタマゴが先か、攻撃が先か守備が先かという生物の根源にも似た展開になるが、
DF小峯、DF羽山、MF望月、FW福田を補強しようが、最大の補強は清水監督残留にかなうものはない。
サポーターの解任反対運動があったにせよ、この判断は賢明だと言える。
ちょっと成績が落ちたからといって、監督のクビを代えたらチーム状態が上向きになるといった性質のモノではない。
財力的にも、現状以上の監督は望めない。むしろ、これまで培った経験やコミュニケーションを継続できるのは強みである。
ただーし、マルコスがまた負傷で全治1ヶ月(8/18現在)ですか、、、
あせって早期復帰して再発ということにはならないように。今度出てこれなかったら、残留はマジやばい。

攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
B C C D B CC

----------最終順位 15位  (予想比)


順位 試合 勝数 敗数 分数 勝ち点 得点
失点
得失差
(年間順位) 15 30 5 16 9 24 31 1.03 56 1.87 -25
(第1ステージ) 15 15 3 9 3 12 17 1.13 28 1.87 -11
(第2ステージ) 15 15 2 7 6 12 14 0.93 28 1.87 -14

ありゃ、おちてしもた。。。
だが、単純に見て、マルコス登録抹消により得点力がガタ落ちしたのは間違いない。得点者が岩本、根本、佐藤寿人、キム・ウンジュン、望月の延べ5人。移籍してきた福田やファーストステージ4得点の山下が無得点に終わったのが痛かった。攻撃力がウリのチームがこの体たらくでは手の打ちようがない。ベルデニック監督はチーム造りに定評あるが、攻を奏するには一年近くかかることは過去に率いたチームを見ても一目瞭然である。残り10試合での就任では時間がなさ過ぎる。まさかJ2での戦いを見越して、、、という構想ではないと思うが、、、、。
そもそも若手育成をサボり、はえぬき選手よりも移籍に頼ってきたツケが回ってきたためであろう。清水前監督の人望が厚いために生じた副作用ともいえるが、それがゆえに選手の入れ替わりによるリスクが生じることも忘れてはならない。森保は引退し、ファビアーノ、福永らが戦力外。岩本は早々とグランパス行きが決まり、根本がトリニータ、阿部がアルビレックス、山下がレイソル、小村がサンフレッチェへ。。。残るのはいったい誰なんだ、、、と思うほどだ。
これでは終盤でようやくつなぐサッカーができてきたにもかかわらず、ゼロからの作り直しが強いられる。その上カニトップが撤退し、アイリスオーヤマへとメーンスポンサーが変わり(しかも減額)、監督がそのままであるにもかかわらず継続性のあるチーム造りを望めない。負の連鎖にはまってしまったのだろうか。
サポーターの熱も一段落といったところだ。仙台スタジアムの増席が決まった直後に計画足踏みになったことでわかったのだが、毎試合満員でチケット争奪戦が繰り広げられることは望めないのでは。なぜかって?それはもっと北のチームが証明してますよ。不甲斐ない戦いだらけで。
ベルデニック監督のチーム造りが順調に進めばそんな不安は杞憂で終わるが、現状では前途多難だ。

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14位 京都パープルサンガ
15試合3勝11敗1分勝点10(16位)
14得点(0.93)34失点(2.27)得失点差−20

天皇杯制覇で始動開始が2月中旬になった影響がでたのでしょうか(確かに歴代優勝チームはその年の成績は良くないが。。。)。
それともパク・チソンの穴を埋める気がなかったのがいけないのでしょうか。
そうでなくて、単に黒部・手島の負傷欠場が影響したのでしょうか(特に黒部)。
勝利に理由はなくとも、負ける理由はいくらでも出てくるものですね。
黒部が欠場して前線でボールキープできる者がいなくなった上に、
第5節エスパルス戦で手島が欠場するようになってから大量失点を繰り返すようになった。
エンゲルス前監督の3-4-3システムではセンターフォワードの出来が守備にも及ぼすだけに、大きな痛手になった。
ピム監督は4-4-2にして、最終ラインを高い位置に設定。積極的にプレスをかけに行って、オフサイドトラップもかけにいっている。
これは相手が裏を突くと致命的になるため、降格争いをするチームにとってはリスキーな戦術だが、
3試合で3得点4失点と大量失点は影を潜め、一応の成果は出ている。
最終節アントラーズに黒部の2ゴールを含めて3-1で快勝したことが大きい。これで少しは自信を取り戻せただろう。
3年弱の長期政権になったエンゲルス前監督のおかげで、角田・松井・鈴木慎吾らいいタレントがいる。
こういったところから降格確定ラインより上に行けると思えるのだが、幸か不幸か降格の明暗を分ける大一番は、みんな終盤戦に組まれている。

 10/25(土)  11節 トリニータ(熊本)
 11/16(日)  13節 ベガルタ(仙台)
 11/22(土)  14節 ヴィッセル(西京極)

これまでにある程度勝ち点を重ねておけば、DFの核に手島・角田がいる分有利と見るが、
逆に早いうちに連敗するとあきらめムードになる危険性と隣り合わせでもある。

攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
B C C C C CC

----------最終順位 14位  (予想比)


順位 試合 勝数 敗数 分数 勝ち点 得点
失点
得失差
(年間順位) 16 30 6 19 5 23 28 0.93 60 2.00 -32
(第1ステージ) 16 15 3 11 1 10 14 0.93 34 2.27 -20
(第2ステージ) 14 15 3 8 4 13 14 0.93 26 1.73 -12

天皇杯優勝チームのJ2降格
前代未聞の不名誉な記録は、稲盛名誉会長の「降格、フロントの責任では」に象徴されるだろう。
始動の遅さ、パク・チソンの穴埋め不在、ベテランの放出、怪我人続出、、、
それぞれ単品で見てみると致命傷にならないが、これだけ原因が出てきて適切な対応ができなければ、最下位もやむなしだろう。
代行を含めて計3回(のべ3人)の感得交代は対処療法にすぎなかった。もっとも残り2試合での3回目は白旗の印象が強いが。。。
戦い方がコロコロ代わり、とりわけ松井はその被害を被ることになった。
ピム監督(なぜか日本でオランダ人監督は成功例が少ないのは不思議だ。。。)に
FW失格の烙印を押されたのは堪らなかっただろう。
戦力的に他チームと比べて見劣りするどころか、むしろ上回っているにもかかわらずこんな結果に終わったのは、
セカンドステージでヴィッセルトリニータベガルタとのライバル相手に全敗したためだ。
勝負どころでの経験のなさが命取りになり、結局はベテランが必要になったということになったのだが。
迷走を続けたが、来季に向けては西村前セレッソ監督の就任が早々に決定。
その上チェ・ヨンス獲得というJ2反則技を持ち出して早期のJ1復帰を目指すが、黒部・松井・角田らの去就が未決である。
一年で復帰できる力はあるだけに、あとはフロントワーク次第だろうか。

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15位 大分トリニータ
15試合4勝8敗3分勝点15(14位)
20得点(1.33)21失点(1.40)得失点差−1

せっかく馴染んできたロドリゴを放出ですかー。行き先がカタールだから、自ら出て行った可能性もあるが。。。
個人技・テクニック・FKは魅力だったが、独りよがりなプレーが多く副作用が強かった。
それでもチーム戦術に適応しようとしていったが、決定力不足になると、どうしても外国人選手に矛先を向けたくなりますね。
アンドラジーニャはJ2でないと通用しないことが証明されてしまったし、、、
その代わりに戻ってきたウィルは、実績・能力は申し分ないものの、有給休暇を覚悟しなくてはならない。
それが下の3カードに当たらないことを願いたいが。。。もうひとりのロブソン(ヤツとは別人ですよ、ヤツとは)は全くもって未知数。
決定力が不足していることが明確なだけに、この2人が活躍できるか否かで明暗が分かれそう。

 9/27(土)  8節 ヴィッセル(大分ス)
 10/25(土)  11節 サンガ(熊本)
 11/29(土)  15節 ベガルタ(大分ス)

改めて断っておくが、14節ヴィッセル戦の8-0は、相手の自滅による特殊事態によってタナボタで得た得点である。
おかげで得失点差は縮まったが、2節ジェフ戦・12節ジュビロ戦にともに0-4で完敗していることを忘れてはならない。これではさしひきゼロだ。
他のチーム相手では悪くても2失点までで収まっており、そこそこ守備の組織力はあるが、
同時に運動量が多く、攻守共に組織的に仕掛けてくる相手に脆いことを示す。
決め手になる補強がなく、チーム総合力に上位レベルと圧倒的に差があるようでは、下位争いは避けられない。

攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
C B B D C CC

----------最終順位 16位  (予想比)


順位 試合 勝数 敗数 分数 勝ち点 得点
失点
得失差
(年間順位) 14 30 5 14 11 26 27 0.90 37 1.23 -10
(第1ステージ) 14 15 4 8 3 15 20 1.33 21 1.40 -1
(第2ステージ) 16 15 1 6 8 11 7 0.47 16 1.07 -9

引き分け8試合で勝ち点8。2と2/3勝分に相当。
強豪チームなら3敗も同然と言われるところだが、得点数ぶっちぎりでワースト(ブービーのサンガベガルタはそろって倍の14得点でそろって降格)であるにもかかわらず残留できたのは、ファーストステージヴィッセル戦のおかげにまちがいない。ステージ最下位で降格回避という驚異的な離れ業の原動力となったのがリーグベストの失点数16だが、レッズに1-3、ヴェルディに0-2、セレッソに0-2と、爆発的な攻撃力を誇るチーム相手に完敗しては、守備力の良さと言う面では説得力に欠ける。
攻撃ではとりわけ外国人選手の誤算が痛かった。ロブソンはやっぱりロブ損であり、代わって加入したエジミウソンもエジミウ損だった。俺王様ウイルも両ステージで1得点ずつでは完全に期待はずれ。行き着く先は、アノ伝説的ファーストステージヴィッセル戦まで在籍したロドリゴを何で放出したのか、見通し・見極めの甘さを追求されることになるのだが。
最低限の残留を果たせたのに、最終節を待たずして早々と小林監督の退任が発表されたのは気の毒だが、後任にオランダ・ユトレヒトで監督を務めたベルガー氏が就任ですか。。。Jでオランダ人監督の成功例はほとんどなく、失敗例のほうが目立つのだが、、、そのいやなジンクスを吹き飛ばしてもらいたいが、左サイドバックの根本の他に、どんな攻撃的な選手を補強してくるのだろうか。ただし03年の守備力維持が前提であることは言うまでもない。

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16位 ヴィッセル神戸
15試合5勝9敗1分勝点16(13位)
18得点(1.20)34失点(2.27)得失点差−16

シジクレイ・土屋を中心に守ってオゼアスを目掛けてカウンター。
これでは一足早くJ2の戦い方ではあーりませんか。
そのうえ個人の力量に大きく偏重している点が、トリニータに比べて劣る点になった。
オゼアス不敗神話と叫んでいたら、5勝1分はすべてオゼアスが得点しているんじゃないですか。
徹底マークされたらオシマイでしょ。ほかに三浦カズ、岡野、播戸、小島がいるんだから、もっとうまく活用しましょうよ。
それよも重症なのが、7試合連続3失点以上の守備陣。
DF土屋の力量は引き抜きを目論むクラブが出てくるほど魅力的だが、負傷と出場停止が多い。
ようやく過半数を越える8試合しか出ていないのは大問題だ。
控えの層が薄く、しかも補強は右SBの田渕しか採っていない。北本・坪内も使える目途が立ってきたが、
ラインコントロールもできる土屋の代わりは無きに等しい(対人プレーに強いシジクレイはタイプが違う)。
00年頃のやりくり上手な貧乏サッカー、01〜02年の遅れたバブル路線を思い出すと、
どうも現場もフロントもやる気あるのかい、と首を傾げたくなるが、カネは尽きてきたのだろうか?
いや、久々に胸スポンサーが就いたから、昨年よりも好転していると思うが。。。
セカンドステージ第2節を終わったところで、まだ土屋はフル出場している。1敗1分だが、1失点ずつで済んでいる。
すでに警告を1回受けているので、いまのうちに緊急補強しておく必要性大だと思うよ。
14節トリニータ戦、DF土屋、DF松尾の二人が退場して9人で8失点という醜態を忘れているのだろうか。

攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
C B C D C CC

----------最終順位 13位  (予想比)


順位 試合 勝数 敗数 分数 勝ち点 得点
失点
得失差
(年間順位) 13 30 8 16 6 30 35 1.17 63 2.10 -28
(第1ステージ) 13 15 5 9 1 16 18 1.20 34 2.27 -16
(第2ステージ) 13 15 3 7 5 14 17 1.13 29 1.93 -12

序盤ビスマルク加入前の5試合を4敗1分で終えたとき、正直、最下位になるのは時間の問題だと思っていた。土屋が欠場なく(最終的には累積警告による1試合欠場を除く14試合に出場)出場しているにもかかわらず、攻撃の型が作れず点が取れない、その結果守備がこらえきれない状況だった。それがビスマルク・カズのかつてのヴェルディ黄金ライン、シジクレイのボランチ配転、オゼアス復活劇によって、9/20第6節以降は連敗なし。もっともこのガンバ戦で後半ロスタイムのシジクレイ同点ゴールによる引き分けが大きかった。ジュビロFC東京セレッソと強力な攻撃陣を擁するチームには大量失点で敗戦したものの、その他のカードを無敗で乗り切って、一試合を残して残留決定。
これならばメデタシメデタシで終わるのだが、残留の立役者の外国人3人とも早々と放出決定。他にもここ2・3年以内で獲得した主力級を放出して、今年も期間限定ユニットの解体工事開始。よ〜く考えよー、お金は大事だよ〜。と歌を捧げようと思った矢先に、民事再生法の適用・「楽天」のクリムゾングループ入札ですか。これって、計画倒産そのものじゃない。神戸市民の血税はまさに焦げついてしまったが、日本のアブラモビッチこと三木谷社長がどんなふうにチームを変えていくのか興味深い。ただ、本家のチェルシーのように"コト"を進めていくと、ヨーロッパよりも日本のほうが反発が強いことをお忘れなく。

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2003年Jリーグ予想&分析