2003年J1セカンドステージ 予想&分析
Bグループ(9チーム)

4位 セレッソ大阪
15試合8勝6敗1分勝点25(5位)
29得点(1.93)29失点(1.93)得失点差±0

目には目を、歯には歯を、得点には失点を、失点には得点を。
まるでサッカー界のハムラビ法典ですネ。
再開後の5試合は、6得点7失点ではあるが、うち4失点は絶好調なF・マリノス戦によるもの。これは多少割り引いて考えてよい。
MFアクセウの加入、DF柳本・GK多田の定着で、失点数の増加に歯止めがかかっている。
最後にアントラーズに1-0・グランパスに2-1と少ない得点で連勝して終えている。これは大いに手ごたえあっただろう。
01年は西澤の海外行きと森島の長期故障を埋められずに転げ落ちたが、大久保・バロンに加えて、JFLからやってきた徳重も計算できる。
一人がケガで抜けても大事に至らないだろう。優勝戦線は難しいが、その下に位置する力は有している。

攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
A B B B B CB

----------最終順位 12位  (予想比)


順位 試合 勝数 敗数 分数 勝ち点 得点
失点
得失差
(年間順位) 9 30 12 14 4 40 55 1.83 56 1.87 -1
(第1ステージ) 5 15 8 6 1 25 29 1.93 29 1.93 0
(第2ステージ) 12 15 4 8 3 15 26 1.73 27 1.80 -1

順位三倍の大ハズレ。11節には最下位まで転落するとは思いも寄らない結果だった。それでも1stと得点も失点もほとんどかわらないのは、14節エスパルス戦(5-1)と最終節ヴィッセル戦(4-0)での荒稼ぎによるもの。13節終了時点では15位(17得点(1.30)26失点(2.00))ということを前提に見ていくほうがいい。もっとも、そう考えるとこのチームにしては得点力不足ということが判明する。大久保の8得点は立派だが、西澤の4得点、森島・バロンの3得点は物足りない。1stだけで5得点を挙げた徳重は2ndの先発出場がなく2得点止まり。これだけ得点力がある選手が揃っていて得点力不足では、攻撃お得意の西村監督が9節を最後に解任されるのも無理がない。
ヘッドコーチから昇格した塚田監督は残り6試合で3勝2敗1分で、その上天皇杯準優勝というこれ以上ない成績で、監督交代は大成功だった。それだけに契約更新を固辞されたのは痛い。新監督が病気で来日できず急遽新監督ををさがすはめになったのは、あいもかわらずこのチームらしいドタバタ劇で、04年シーズンに向けて大いに不安な要素だ。
大久保の2度の退場劇で話題になった警告数はチーム全体で38。大久保の8回(計4試合出場停止)が目立つが、DF喜多、MF濱田、MFアクセウの3人がそれぞれ4回ずつ受けていることも忘れてはならない。攻め込まれて守りきれずに警告を受けるケースが多かったはずである。ただ、大久保が出場停止を受けたラスト2戦が共に爆勝したのは、皮肉な結果になったとも言える。

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5位 FC東京
15試合7勝4敗4分勝点25(4位)
14得点(0.93)11失点(0.73)得失点差+3

失点数最小。得点数最低サンガと同点)。
それで4位とは元々東京ガスだけに燃焼効率がイイ(おそまつ)。
ただ、原監督は90分間攻撃サッカーをやりたかったんだよね。
これまではGK土肥、DFジャーン、DF茂庭を中心に全員で守って、
攻撃は相手がスキを見せた時にボールを奪って速攻で相手陣内に攻め込むしかできなかった感がある。
五輪世代のMF石川・宮沢、FW戸田・阿部が台頭してきたと言っても、
無得点に終わったKING OF TOKYOアマラオ様が欠場すると得点のニオイがしなくなるのでは心もとない。
常に優勝を争えるチームになるには、最後の詰めの甘さを克服し、ジャーン、ケリー、アマラオへの依存度を低くすることが不可欠。
とりわけ負傷したジャーンは9月上旬の復帰が見込まれているので、
その間の1節セレッソ戦、2節グランパス戦、3節F・マリノス戦をどう戦うかが勝負どころだ。

攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
C A B B B BB

----------最終順位 5位  (予想比)


順位 試合 勝数 敗数 分数 勝ち点 得点
失点
得失差
(年間順位) 4 30 13 7 10 49 46 1.53 31 1.03 15
(第1ステージ) 4 15 7 4 4 25 14 0.93 11 0.73 3
(第2ステージ) 5 15 6 3 6 24 32 2.13 20 1.33 12

ガス大爆発、得点数1位。と、声を大にして言えるはずなのに、そんな感じがしないのなんでだろう〜。アントラーズ戦5得点、F・マリノスヴィッセルレイソルより4得点ずつ挙げているのに印象が薄いのは大いなる謎だ。
そんな疑問を追いつつ得点状況を見てみるともっと驚愕した。2ndチーム得点王は、5得点の戸田とケリー。4得点が石川、阿部、アマラオ(なんと今シーズンの全得点)。5人で計22得点はバランスがよい。同時に個人の力量にかかわらず、チーム全体の力として取れたということを示している。90分間攻撃サッカー、完成間近ではないだろうか。少なくともジャーン、ケリー、アマラオへの依存度を低くすると言う目標は達成できている。
もっとも、KING OF TOKYOアマラオ様なしでも攻撃力を保てたところに一抹の寂しさを感じた。そう考えると、余力を残した今シーズンしか卒業のタイミングはなかったのではないだろうか。時期を誤らなかったフロントの判断力は見事だと感じた。また、コンサドーレから今野の獲得は、最少失点の守備陣から最多得点の攻撃陣への橋渡し役を得ただけにとどまらず、さらに上を目指す現れに感じる。原監督は微調整を迫られるだろうが、来季も派手さはなくとも、通好みなサッカーを展開してくれるだろう。あとは、勝てば首位浮上のところで完封負けを喫した13節ガンバ戦のような詰めの甘さを克服して、勝負強さを身につけていくことが課題ではなかろうか。

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6位 浦和レッドダイヤモンズ
15試合7勝5敗3分勝点24(6位)
25得点(1.67)23失点(1.53)得失点差+2

野獣エジムンド脱走の空家を、復活した山瀬が強行突破で埋め、
解雇の方針を固めていたゼリッチが起用されつづけて、ついには欠かせない選手に成り上がるなど、
あいも変わらずのドタバタぶりには楽しませてもらったが、オチつくところはエメルソンの個人技次第であった。
ただ、オフトの目指すサッカーは、1stから2ndにかけて進化を加速できるものと見る。
坪井・室井が定着したDFラインに、昨年のワールドカップにも出場していた
ロシア代表のニキフォロフ(みなさ〜ん、ゴルフ屋のチェーン店ではないですよー)が加わった。
ゼリッチをボランチに上げられ鈴木と組むようになり、手術を終えた山瀬と共にセンターラインが強化されるだろう。
これでボール支配率を加速できて、組織的に得点を挙げられるようになれば勝機は多くなる。
ようやくオフトの腕さばきが見られるようになるか。1節ジュビロ戦を対等に戦えたなら台風の目になる可能性はある。

攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
B B B B B CB

----------最終順位 6位  (予想比)


順位 試合 勝数 敗数 分数 勝ち点 得点
失点
得失差
(年間順位) 6 30 13 9 8 47 54 1.80 42 1.40 12
(第1ステージ) 6 15 7 5 3 24 25 1.67 23 1.53 2
(第2ステージ) 6 15 6 4 5 23 29 1.93 19 1.27 10

順位予想が的中。1節ジュビロ戦にエメルソンの2ゴールと田中のゴールで快勝して台風の目になったところも的中。
攻撃よりも不安だった守備には二木ゴルフ(ニキフォロフだろー)がスイングスイングスイングでどっしり構える(ワケないが)。
ナビスコ杯も制覇して念願のタイトル獲得と、ここまでならメデタシメデタシで済むが、同時にオフトは満足行くサッカーは出来ているのだろうか疑問を感じざるを得なかった。
個人技の突出は上手く行けばイケイケドンドンで済むが、コマを欠くとどうにもいかなくなる。
それを証明したのがレイソル戦での田中の出場停止と、エメルソンの2試合出場停止による優勝争いの脱落。
2ndステージのチームスタイルなら監督交代の判断も納得いくが、その動きを察知されたところにレッズフロント「らしさ」ぶりを見た。
そこで後任がさいたま市民待望のブッフハルトですか。監督経験はナシ。そこで補佐役には元サンガのエンゲルスを招聘ですか、、、
コーチとしてはサテライト中心の超大物もいますし、、、
ゼリッチにようやく見切りをつけ、坪井・ニキフォロフが構えるDFラインにトゥーリオを獲得するということは、
ブッフハルト自身の後継者と見ているのか?本国ドイツでもそんなサッカーは時代遅れなのだが。。。
三都主獲得も狙っているようだが、獲得の成否にかかわらず、来年のチームについては1からの構築し直しになることは間違いない。

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7位 鹿島アントラーズ
15試合7勝6敗2分勝点23(7位)
23得点(1.53)21失点(1.40)得失点差+2

柳沢のイタリア行き、鈴木の再ベルギー行き、長谷川の引退があったのに、なんでFWの補強をしないのだろうか。
4月頃から決定力不足を感じていたにもかかわらず、補強はMF中心。
そのクラウデシールを、来日直後にもかかわらず強行出場させたF・マリノス戦を落としたのが痛かった。
これでこれまでありえなかった、それはもちろん神様ジーコ様の威光によるものだが、4年目になるセレーゾ監督批判が噴出してきた。
12節苦手エスパルス戦では単なる敗戦以上に痛い小笠原の退場、つづく13節ヴィッセル戦では秋田退場は、
おまえら出場拒否したいのかいな、とサポーターに言われかねないのではないか。
いずれにせよ、伝統のジュビロ戦こ勝ったにもかかわらず、この2試合で完全に緊張の糸が切れてしまった。
過去に順位を落とした時は、危機感をバネにして逆襲してステージ優勝を収めた。そのときは優勝に値する戦力・選手層を有していたが、
今回はコマ不足を感じざるを得ない。FWだけでなく、若手が伸び悩んでいるDFも選手層の薄さを感じるようになってきた。
特に秋田・名良橋の欠場時がつらい。
そのわりになんでGKが5人もいるのだろう。FWは4人しかいない。。。

攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
B A A B A SB

----------最終順位 4位  (予想比)


順位 試合 勝数 敗数 分数 勝ち点 得点
失点
得失差
(年間順位) 5 30 13 8 9 48 44 1.47 40 1.33 4
(第1ステージ) 8 15 7 6 2 23 23 1.53 21 1.40 2
(第2ステージ) 4 15 6 2 7 25 21 1.40 19 1.27 2

す、すまない_| ̄|○
予想大はずれで、最終節レッズ戦で後半42分からロスタイムまでの3分間首位に立っていたことは、ウルトラマンもビックリ。いくら2ndのアントラーズと呼ばれていたとしても、その上レベルの低い優勝争いだったとしても、12節で2nd最低の8位まで落ちていて、残り3試合で優勝できるほどJ1リーグのレベルは甘くない。
戦力的には8月にボランチ中田浩二の全治6ヶ月の重傷が痛かった。はえぬきの本田が控えているとはいえ、熊谷が長期離脱中では影響が大きすぎる。この穴を青木が埋めて定着できるまでになったことが、最後まで優勝の可能性を残せた要因に思える。小笠原・平瀬の復調ばかりが目立ったが、このチームの生命線はジョルジーニョ以降ボランチであることを再確認させられた。
ただ、オーバーサーティースのDFラインは脆くも崩壊した。名良橋、大岩、秋田、相馬は負傷や凋落傾向が感じられたのは時代の流れなのだろうか。相馬だけでなく秋田の戦力外通告は、過去にまだまだ働けるジョルジーニョ、ビスマルクに見切りをつけた歴史のある、このチームらしい決断だ。ただし、半ば強引な若手切り替えではなく、競争の中でのポジションを獲得でないとチームのためにもポジションを与えられた選手のためにもならない(事実、ビスマルクの後釜に予定していた本山には伸び悩みな感が否めない)。名良橋・相馬が負傷欠場し、秋田・大岩が出場停止になった14節レイソル戦に先発した内田、金古、池内、石川の中から、一人でも多くレギュラーに定着できたときに復活の狼煙が上がる。

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8位 清水エスパルス
15試合5勝7敗3分勝点18(11位)
20得点(1.33)18失点(1.20)得失点差+2

ここから始まる8〜10位は最も頭を悩ませたところなのだが、単純にFWの質量で優劣が決まると見た。
その点、3バックに戻してようやく守備に安定感が戻ってきて、トゥット、久保山、北嶋、アン・ジョンファンと実績のあるFWを複数持つ面で優位と見る。
ただ、そのわりには得点数が少ないんですよねー。相次ぐ負傷で7試合の出場に終わったトゥットが、5得点でチーム得点王なんですよ。
得点/総シュート数に対する決定率はリーグ2位なのに、総シュート数は最下位。
いかにDFライン・中盤の構成に苦労していたかが伺える。
再開後の初戦F・マリノス戦は落としたが、2勝1敗2分け5得点1失点で終えている。
しかもその2勝はアントラーズジェフに完勝しているだけに価値が高い。
最終トリニータ戦はチャンスを作れずスコアレスドローになったが、
ガチガチに守ってくるチームに勝ち星をどれだけ挙げられるかで上位に進出できるかどうかがかかっている。

攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
B B B C B BB

----------最終順位 10位  (予想比)


順位 試合 勝数 敗数 分数 勝ち点 得点
失点
得失差
(年間順位) 11 30 11 13 6 39 39 1.30 44 1.47 -5
(第1ステージ) 11 15 5 7 3 18 20 1.33 18 1.20 2
(第2ステージ) 10 15 6 6 3 21 19 1.27 26 1.73 -7

1st終盤を4試合無得点で終えて、巻き返し&立て直しを予感した人は私だけでないと思うが、見事に裏切られた結果に終わった。勝ち点は首位と5しか違わないが、第6節以降は10・11位が定位置になった。かつて堅守を誇っていたこのチームが得失点差がマイナスになるだけでも驚きだが、6節F・マリノス戦と14節セレッソ戦の2試合がともに一試合5失点なのは衝撃と言っても過言ではない。
03年の特徴はGKを除くほぼ全ポジションにわたって日替わりメンバーだったことだろう。伊東テルは1st開幕戦後半開始から途中出場すると、2nd最終節までフルタイム出場。これだけ見ても選手起用に混迷の道を歩んだことがわかるが、MF鶴見、沢登、FWトゥット、北嶋などもっと活躍して当たり前な選手が、ポジション争いが熾烈でなかったにもかかわらず期待はずれに終わっていたのはいかがなものか。とりわけトゥットは上手に起用してあげれば結果を残せる選手なだけに、13試合1得点なのは不可解だ。
せっかくチーム再建の意味で大木監督を招聘したのにもかかわず、再建どころか債権ではないか。不良債権化する前に更迭したのは賢明な判断だと思うが、孤軍奮闘な三都主、アン・ジョンファンを残留させられなかったのは痛い。レイソル色の強い人事編成を行ったが、このままでは石崎ノブリンのJ1デビューが待ち遠しくてならない。

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9位 東京ヴェルディ1969
15試合6勝8敗1分勝点19(10位)
28得点(1.87)32失点(2.13)得失点差−4

ボマちゃんにおんぶにだっこ。
平野・三浦淳宏・山田・ラモンと良いアタッカーがいても、引き立て役にしかなれない。
ロリ監督が休養した9節以降の7試合で5得点ですよ。この間5勝1敗1分22得点(3.14)。ただーし、12失点(1.33)も喫している。
もっともジュビロ戦の一試合7失点は極端であるが、それを除外してもトップ3に匹敵するDF力はない。能力以前に選手層が低い。
計算できるのは米山・ロペスぐらいで、本来MFの三浦・林でやりくりしている。右SBに定着しつつある柳沢とて、まだまだ経験がひつようだ。
守備面の整備が得意なアルディレスのおかげで向上は望めるが、コマ不足まで解消を望むのは酷。
一部マスメディア・評論家は優勝争いとの掛け声もあるが、そんなに甘くない。
ただ、開幕からF・マリノスアントラーズエスパルスとつづくくせ者シリーズを勝ち点6以上でのりきれるなら、
波に乗る可能性も夢ではない。って、そーだったら本当に去年の繰り返しじゃない。いいかげんに継続性のあるチーム編成をしようよ。

攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
A C C C B CB

----------最終順位 9位  (予想比)


順位 試合 勝数 敗数 分数 勝ち点 得点
失点
得失差
(年間順位) 8 30 11 12 7 40 56 1.87 57 1.90 -1
(第1ステージ) 10 15 6 8 1 19 28 1.87 32 2.13 -4
(第2ステージ) 9 15 5 4 6 21 28 1.87 25 1.67 3

結果的に予想順位はあたり。くせ者シリーズは1敗2分だったものの、第10節に首位に踊り出るなど、最後には失速したものの波に乗ったところも予想通り。アルディレス監督がコマ不足ながらもやりくり上手で守備陣をきちんと整備してきたことが大きいだろう。そのおかげで山田卓也、ラモン、平本、平野らの得点力をようやく生かせるようになった。とりわけエムボマの5得点を上回る山田卓也の6得点は驚きであった。
ただ、最後の失速は選手層の薄さを証明した。きっかけとなる1-5で大敗した12節レッズ戦は、肝心のDFロペスが出場停止。13〜15節はラモンがフル出場できずに1敗2分で優勝戦線から脱落。私の予想を裏切るはずだったのに9位に落ち着いてくれたが、1stで監督交代の時を振り返ると、平野、三浦淳宏、山田卓也の再生を含めて流石アルディレスと言いたい。骨の折れるしんどい作業から、短期間で好成績を残せるとは驚きであった。
ところがもっとおどろきなのは、ロペスとラモンの放出を早々と決めたフロントだ。2ndでチームを立て直して上昇気流に乗ったチームをぶち壊して、翌年1stで低迷・監督交代のパターンを幾度つづけりゃ気が済むのだ?いくらアルディレスでも主力がごっそり欠けるとどうにもならなくなるのは01年F・マリノスで証明済みだ。その点をフロント・監督がどう対処していくのか注目しておきたい。

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10位 柏レイソル
15試合6勝6敗3分勝点21(9位)
19得点(1.27)19失点(1.27)得失点差±0

リカルジーニョと玉田。最終節ベガルタ戦を除いてこの二人のいずれかが得点を挙げないと勝てない。
チーム得点数そのものも少ないが、二人で9得点は比率が大きすぎる。あとはジュシェの3得点で少し期待をかけられるくらいだ。
昨年ブレイクしかけた宇野沢が7試合無得点に終わったのも痛い。
もっとも、まだ確固たる実績のない若手に期待を寄せなければいけないところが辛い。エジウ損・北嶋の穴は大きいと言わざるを得ない。
2節まではシステムがころころ変わり、とても勝利を期待できる状況ではなかったが、
リカルジーニョのFKの威力が武器になり、DF薩川・永田が復帰して守備が安定できるようになってからはチーム内が落ち着いてきた。
3失点を喫したのはボマちゃん効果のヴェルディ戦のみで、あとはすべて2失点以内になっている。
それでも4バックか3バックか、それが問題なのだが、まだ流動的だ。
いづれかに固定できたら浮上のきっかけをつかめるが、薩川・永田の控えが心もとなく、もうしばらく時間がかかるだろう。
それでも早期に残留が確定すれば大成功のシーズンと言える。

攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
C B B C B CB

----------最終順位 11位  (予想比)


順位 試合 勝数 敗数 分数 勝ち点 得点
失点
得失差
(年間順位) 12 30 9 11 10 37 35 1.17 39 1.30 -4
(第1ステージ) 9 15 6 6 3 21 19 1.27 19 1.27 0
(第2ステージ) 11 15 3 5 7 16 16 1.07 20 1.33 -4

第7節ベガルタ戦が最後の勝利で、低レベルの優勝争いに加わることもなく、降格争いに顔を出すこともなく中の下成績に落ち着いた。もっとも春先に守備が不安視されていた中で年間で得失点差をマイナス4で抑えられたのは上出来だと言える。実質玉田ひとりの攻撃陣を薩川ら守備陣でカバーしていた。ホン・ミョンボらコリアン路線の幻影を振り払えそうだったのだが、11節、爆走中のレッズ戦で勝ちに等しいスコアレスドローを得たものの、肝心のDFリーダーの薩川が全治8ヶ月の重傷を負ったところで実質上今シーズンが終わった。そこまで11試合で9失点だった守備が崩壊。残り4試合で11失点ではなす術もなかった(3敗1分)。
選手層の薄さがいとも簡単に露呈してしまうところに、03シーズンへ向けての選手補強のまずさが目についたが、アウレリオ監督の選手起用にもまずかったのではないか。昨季の北嶋の出場機会減少は宇野沢の台頭という明確な答えがあったものの、10節からリカルジーニョ・ジュシェが全く起用されなくなったのには理解に苦しむ。玉田ひとりでは攻撃が成り立つわけがなく、宇野沢の復活を待ったわけでもない(結局今季0ゴール)。
年間を通してみれば守備の再整備はどうにかできた範疇になるが、薩川が抜けたことで組織的なものでなく個人の力に依存していることがわかった。これでは日本人スタッフとのコミュニケーション不足が不安なアウレリオ監督から交代の断を下すのも止むを得ない。はえぬきの池田氏が監督に就くが、西野監督時代に優勝争いを経験した中堅選手が相次いで移籍している。チームの再構築という作業に入るが、フロントも03年開幕前の轍を踏まぬように動いているが、予算規模がJの中で小さくないはずなのに積極的補強も、一貫したチームづくりも見られないのは不思議だ。「やる気足りないんじゃない?」と言いたくもなるが、再び優勝争いに加われるか、中位チームになるかの分かれ目にきていることは間違いないだろう。

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11位 名古屋グランパスエイト
15試合5勝2敗8分勝点23(7位)
19得点(1.27)16失点(1.07)得失点差+3

得点力がないのにヴァスティッチ退団。
そりゃズテンコ・ベルデニック監督でなくとも怒りますよ。10節までの4勝0敗6分けの成績の中、ゴールを挙げた3試合とも勝利でっせ。
これでは1億円楢崎が孤軍奮闘しても、悲しき守護神にしかなりえない。
13節ガンバ戦で最終ラインでそびえ立っていたDFパナディッチのバックパスの処理ミスにより楢崎が一発退場されては、
一気に緊張の糸が切れてしまいますよ。
その結果、「総合的な判断」という摩訶不思議な理由でベルデニック監督解任。
そして寝るシーニョ監督ブラジル路線に変更するのだが、適任者がいないということであきらめていた4バックを採用ですかー。
古賀、パナディッチ、大森の3バックで堅守を誇ってきたのに変える理由は感じないが、正気なのだろうか。
また、ベルデニック遺産により右サイド海本幸、ボランチ吉村・中村、攻撃的左サイド滝澤が台頭してきたが、
すべてゼロからのスタートになる可能性がある。
せっかく強奪してまで積み上げてきたものをスクラップ&ビルドさせてしまうのは、相も変わらず無節操なフロントと言わざるを得ない。
まして14日間の中断期間で作り直せるとは思えない。少しはベガルタフロントを見習いなさい、と、この点に関しては言いたい。
ヴァスティッチが精彩を欠いた昨年セカンドステージの二の舞は十分に予想できる。
12月に小川強化本部長に「勝ちきれない殻を打ち破るため」って言いましたよね?という声が聞かれないことを願いたいが、道のりは相当厳しい。

攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
C A C B B CC

----------最終順位 8位  (予想比)


順位 試合 勝数 敗数 分数 勝ち点 得点
失点
得失差
(年間順位) 7 30 11 7 12 45 49 1.63 42 1.40 7
(第1ステージ) 7 15 5 2 8 23 19 1.27 16 1.07 3
(第2ステージ) 8 15 6 5 4 22 30 2.00 26 1.73 4

得点力不足・チーム作り直しで順位を落とすという私の予想に対して、まちがっているのはオマエだーと見事に一蹴されてしまったが、ナビスコ杯準決勝第一戦と2nd第一節の鬼門カシマスタジアム2連戦をうまく生かしたのだろう。前者は4バックを採用して1-5と惨敗。3日後にはベルデニック時代の3バックに戻して0-1の惜敗。4バックでは試合にならん、と思ったのか、以降は3バックの現実主義で通した。
これが吉と出て、その上ウェズレイ・マルケスの2トップに岡山のふっかーつもあって、7節にはレベルの低い争いながらも単独首位に踊り出た。ただし、6〜8節の三試合連続で退場者を出し、8節ヴェルディ戦では前半だけで4点を取っておきながら引き分けたあたりからチーム力の不足、とりわけ選手層の薄さが露呈された。正直言って滝澤・中谷・酒井を欠いて下降線をたどるのでは、まだ優勝する資格はない。監督交代直後であれば上出来な部類に入るだろうが、中位に落ち着いた結果と目標とを照らし合わせると勝ちきれない殻は打ち破れていないのではないか。
日本人フィールドプレーヤーに核となるべき選手がいない(特にボランチ)、若手が育たないという問いにどう応えるのか注目していたが、札束攻勢ですかー。ただ、寝るシーニョのチーム造りの時間が取れるはずなので、どのように戦力を組み合わせていくのか注目だ。

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12位 ガンバ大阪
15試合4勝7敗4分勝点16(12位)
26得点(1.73)29失点(1.93)得失点差−3

正直言って下のグループに入れるか迷った。
監督を含めて攻守にタレントぞろいなのに降格戦線に踏み入れようとする戦い振りは、摩訶不思議の一言。
春先に懸念していたマルセリーニョ、ファビニーニョの放出、
チキアルセ、ガレアーノの加入の外国人入換えは大失敗に終わった。
FW大黒の成長は数少ない収穫だが、FW吉原が出場機会を失い、DF宮本の信じられないミス連発でさしひきマイナス。
後半での失点癖は再開後も変わらず。後半40分を過ぎてから同点もしくは逆転されたゲームがいくつあるのだろうか。
選手自身の集中力の問題もあるだろうが、西野監督の采配・選手起用にも疑問符がつく。
ただ、最終節天敵ヴェルディ戦を2度の勝ち越しの末、3-2で勝ったことは自信にしてよい。
DF山口をボランチに起用する奇策が当たり、守りをうまく修正すれば攻撃力を生かせることを証明できた。
最後まで残留争いをしなくてすむと見るのは、現有戦力だけでも前述のように修正次第で浮上のきっかけを掴める点にある。

攻撃力守備力組織力選手層監督フロント総合
B C C B B CC

----------最終順位 7位  (予想比)


順位 試合 勝数 敗数 分数 勝ち点 得点
失点
得失差
(年間順位) 10 30 10 11 9 39 50 1.67 46 1.53 4
(第1ステージ) 12 15 4 7 4 16 26 1.73 29 1.93 -3
(第2ステージ) 7 15 6 4 5 23 24 1.60 17 1.13 7

最終節捨て身のサンガ相手に5-1で快勝してどうにか7位を得て、オマエの予想はまだまだアマイ!と一蹴されたが、8〜11位近辺をウロウロする状況では、戦いぶりに満足したサポーターはいないのではないだろうか。
6節ヴィッセル戦、7節ヴェルディ戦と2戦連続でロスタイムに失点して2-2の引き分け。その時点で正直「おわったなぁー」と思った。特に7節試合終了後の宮本ガラス扉衝突事件(とても転倒と思えないのは私だけだろうか?)で、チーム空中分解の危機を感じずにはいられなかった。実際、欠場した8節F・マリノス戦、9節ベガルタ戦の2連敗で11位に転落。監督解任の日が迫っているようにみえた。
ところが宮本が復帰すると、出場停止になったジュビロ戦の敗戦を除くと4勝1分の負けなし。失点癖はウソのように消え、最後の6試合で6失点と、うまく修正できた。とりわけ13節FC東京戦でシュート19本浴びながらも1-0で逃げ切れたことは自信回復につながっただろう。8位浮上にもかかわらず新聞紙上には「首位戦線浮上」と書かれていたがすでに時遅しで(単に優勝争いのレベルの低さの証明になったが。。。)、早々と12節前に発表になった西野監督の続投がモチベーションの拠り所だと思われるが。
それでも失意の2nd前半までに比べると、決して無駄になっていないことは、失点数の大幅減少にも見られる。GK松代、遠藤・山口の両ボランチが磐石になったところは来季につながる。シジクレイの加入は宮本への比重を軽くする意味で大きいだろう。

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2003年Jリーグ予想&分析